ピアノ消音ユニットマジックスター Welcome to Magic Star

ピアノ消音ユニットマジックスター Welcome to Magic Star
おかげさまでグランドピアノへの取付台数も増えてきました。
発売元では取付技術指導を兼ねて全国各地の技術者の技術者と一緒に取付けて参りました。
行く先々で色々な事例を見る事がありましたが、今回は特に思い出に残ったことを書きます。
とある政令指定都市の市内中心部の高級マンションへ取付にお伺いした時のことです。
さすが高級マンションでお住まいになられている方々もハイソな方達です。
わたくし達がおじゃまいたしましたお客様をA様宅と呼ばせていただきます。
A様は現在仕事の関係で市内にお住まいになり、大きなリビングにグランドピアノと竪型としてハイグレードなアップライトをお持ちです。
いままでは時間的に許される時はグランド、ちょっと静かに弾かないと行けない時はアップライトを弱音にしてご使用になられていましたが、どうしてもグランドへこだわりたいとのことで、グランドに消音ユニットを取付ることになりました。
ここに行き着くまでのお話しが大変興味深かったのです。
実は2階ほど階下のB様(と呼ばせていただきます)宅で、グランドピアノ用にと防音室を室内に組み立てられました。
防音室も中型のグランドピアノを新品で買える値段がするものでした。
なぜ?防音室にされたかと言うと、B様もかなりの腕前でジャズピアノを弾かれるらしく、真夜中に気分良く思いきりジャズをやりたいと言う理由でした。
ところが、深夜にはマンションの他の階に音が聞こえてしまうのです。
いくら防音と言っても防音室外への音は100%もれない訳ではないのです。
昼間でしたら、他の環境の音と混ざりほぼ100%聞こえないのですが、真夜中の寝静まった時間には他の住人には、ほんのかすかですが聞こえてしまうのです。
人は大変勝手なもので、真夜中にかすかに聞こえる音が余計に気になってしまうようです。
B様、防音室の限界が理解されたようで次の行動をお聞きした時は本当にびっくりしました。
防音室はそのままに残し、なんと新品のサイレントグランドと入れ替えてしまったのです。
時間の許す時は防音室内で生音がガンガンに弾かれ、真夜中はサイレントで弾かれています。
なるほどと唸ったのは工場出荷のサイレントグランドは構造上、生演奏のタッチはそのままのグランドタッチで気持ちよく弾く事ができ、そしてサイレントで弾く時は生音が鳴らなくとも鍵盤の動くパタパタと鳴る雑音が気になりますので、家族への雑音の迷惑を考えて防音室内でサイレントで弾くと言う、完璧な状況を作り出されました。
さぞやメーカーのセールス担当は会社から褒められたことでしょう。
で、A様は現在のマンションは仕事上の仮住まいですので、勤務地の変更により郊外の自宅へ戻られた時に今回取付けたグランド用を取り外し、アップライトに載せ変えは可能かとの相談を受けていましたので、「費用を見て頂ければ載せ変え問題ありません」との私たちの返答に
「じゃあ、家に戻った時は今のグランドから消音をはずし、普通のグランドタッチに戻した後に、夜用に今のアップライトへ消音を付け替えてくださいね」と言うことになり、今回のお手持ちのグランドへの取付となった次第です。
本当に色々な事があるものです。
防音室か消音ユニットか?
2009/01/04